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回収率の最大化を求めて

通常の原油生産では、油層内に当初あった原油のうちの20%程度しか回収できず、多くの原油が油層内に取り残されることになります。この原油回収率を最大化し、取り残しを最小限にすることが石油開発会社にとって最重要課題であり、これまで世界中で数多くの原油回収方法が考案されてきました。これらの中には水やガスを油層へ圧入する方法をはじめ、ケミカルを圧入する方法、水蒸気を利用する方法などがあります。
回収率を最大化し、生産を最大化するためには、油田の特性に合った最良の方法を採用する必要があります。当社は、ムバラス油田、ウム アル アンバー油田、ニーワット アル ギャラン油田のそれぞれの油田特性にあった最適な方法を適用し、原油回収率の最大化、生産の最大化を図っています。

ムバラス油田

ムバラス油田は、油層の廻りに大きな水層があり、原油と共に多量の水が生産される特徴があり、また原油からガスが遊離する圧力が低く、油層圧力を下げても回収率が低下しない特徴を有しています。多量の水が混入すると坑井の生産能力が低下し、生産が停止します。当社は、坑井の生産を継続し、原油回収率増大を図るために、これら特性を活かして坑井の中に電動ポンプ(ESP)を設置する方法を採用しています。ポンプによって油層圧力を下げ、周囲の水層から、全周にわたって地層水をまんべんなく油層に引き込むことで、高い回収率が実現できます。


他油田の例では、人工的に水を油層へ圧入して回収率向上を図っている場合もありますが、当社は天然に存在する地層水の力を有効利用することにより、効果的に回収率向上を図っています。


ウム アル アンバー油田/ニーワット アル ギャラン油田

ウム アル アンバー油田およびニーワット アル ギャラン油田では、原油の生産に伴って多量のガスが随伴する反面、油層廻りの水層がほとんどなく、水の生産が少ないという特徴を有しています。当社は、分離したガスを有効利用し、地下の油層へ圧入する方法で、これら油田の原油回収率最大化を図っています。

ガス圧入法では、油層圧力維持を目的とした通常のガス圧入法のほか、油層の原油回収率を飛躍的に高めることのできるガスミシブル攻法やガスサイクリング法があり、当社はそれらを採用することで、より高い回収率と生産量の最大化を目指しています。
ウム アル アンバー油田は、アブダビ地域で油田全体にミシブル攻法を採用した最初の油田です。

ミシブル攻法とは

ミシブルとは、2つの流体が接する時、両者間に界面が生じることがない状態であり、また、どのような割合で混合しても界面が生じることなく完全に混じり合う混和性を示す性質のことです。通常の状態ではガスと原油との間には界面があり非ミシブル状態ですが、ある状態にすることで界面が消失し、ミシブル状態になることが知られています。
ミシブル攻法とは、油層の岩石中に存在する油をガスで置換するときにミシブル状態を作り出し、原油を含有している岩石をあたかも溶剤で洗浄するように原油を採取する方法です。この採油方法の最大の特徴は、低生産性油層でも極めて高い回収率を実現できることです。
ミシブル攻法は油層特性により全ての油田に適用できるわけではありませんが、ウム アル アンバー油田およびニーワット アル ギャラン油田は、ガスミシブル攻法が適用可能であり、両油田には最適な採油方法です。

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